こんな本を読みました。
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こころの声を聴く
2019年02月20日 (水) 23:40 | 編集
 河合隼雄さんの対談集「こころの声を聴く」を読み始めました。

 対談相手として、村上春樹、多田富雄、白洲正子、安部公房など面白そうな顔ぶれがそろっていて楽しみなのですが、今のところ河合さん自身が書いたまえがきを読んだだけっす。

 それでも、付箋を三か所も付けてしまった。

 河合さん本人が自分の対談について分析している箇所が、なるほどと思わせます。
 臨床心理士という、人と一対一で話し合うのが職業なので、

 相手の世界に対して可能なかぎり自分を開き、自分の人格を失ってしまうほどのぎりぎりの線まで、相手の世界を許容する。ほとんど自分の人格を消し去るほどの態度をとりながら、最後のところで一人の人間であることを失わない、(p.18)



 という会い方をしているのだそうです。
 だから、

 初対面の方が、自分でも驚かれるほど一挙に深い話にはいってゆかれるのである。(p.18)



 という状態になるのです。

 河合さんの対談の面白さ、深さの秘密を知ったような気がします。

 さらに、河合さんのよく使うキーワードの一つ「物語」という言葉の捉え方もなるほどと腑に落ちる一文がありました。

 河合さんと相談室で相対する人は、自分の心の中の未整理の物事を次々に投げ出してくるのだそうです。

 そうしながら、それらを二人で整理してゆく。整理ができるということは、それら雑多の内容が「物語」としての形をそなえてくることなのだ。(p.20)



 河合さんの使う「物語」という言葉のニュアンスの、ワシにはいまひとつよく解っていなかったなにものかが少し腑に落ちてきた気がします。




こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)
(1997/12/24)
河合 隼雄、安部 公房 他

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日本人のための新「幸福論」
2012年08月16日 (木) 21:55 | 編集
日本人のための新「幸福論」: 「NOと言える人」の時代が来た日本人のための新「幸福論」: 「NOと言える人」の時代が来た
(2012/04/06)
田原 総一朗、佐藤 優 他

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 『日本人のための新「幸福論」』(田原総一郎×佐藤優×宮崎学/三笠書房)読了。

 3.11の東日本大震災以来、巷では「悲観論=不幸論」が溢れている。
 しかし、「執拗に、そして、おもしろがって取り組めば、方策は出てくるものだ。」と田原氏は言う。

 というわけで、いま日本で起きていることについて、話が面白くなりそうな三人で激論を闘わせようという趣旨の本です。
 「激論」という割には、三人の意見はほぼ一致しているようで、対立というのはない平和な論戦ですが、話の中身はなかなか面白いものでした。

 例えば反原発というのは、ただの金持ちのおもちゃだという。
 電気料金が三倍になっても困らない連中が言っていることで、デモをしたところで世の中は変わらないという。
 デモに行く暇があったら、労働をして物を作り、学生は勉強をし、世の中を変えたければ、選挙に行けばよい。
 議会を通じて実現できることなのに、デモなどで群集心理がわき起これば、ファシズムの土壌が作られ、非常に危険である、とのこと。

 また、「がんばろう!日本」というキャッチフレーズも無意味だという。
 「がんばる」のは単なるプロセスであって、目標を伴っていないと意味を持たない。
 反原発をがんばるのか?、再稼働をがんばるのか?
 
 プロセスに比重を置きすぎると「目的はさておき頑張っている」ということが重視され、それは単なる自己満足になってしまう。
 この現象は、がんばってはみたものの結局世の中何も変わらなかったという、六十年代の学生運動と似ている。
 体制を打倒するというスローガンはあっても、打倒した後どうするというビジョンがなかったというわけです。
 これを宮崎さんは「壮大なゼロ」と表現しています。

 この辺を読んでいると、こういう空虚な「がんばり」は日本人の特徴なのかな、とちょとゾッとします。
 少し前に読んだ特攻隊の話、「永遠の0」を思い出してしまう。
 若者に無理やり特攻を志願させるのはまさに究極の「がんばり」なのですが、そのがんばってどんどん人を死なせた後で、いったい何が残るのか?何が目標なのか?
 戦争に負けるのはもう分かり切っていたのに。
 結局、ただ「目的はさておき頑張っている」。

 「がんばる」のはよく考えてからじゃないと駄目です。

 そして話は、一人ひとりが今までより働いて、物を作ることが復興につながるという、非常にシンプルな話にたどり着きます。
 破壊された以上、新しく創るほかなし。
 労働がこれまで以上に価値を持つ世の中になる。
 このとき大切なのは、株取引やFXなどのマネーゲームによる単なる金儲けと、物を生産することによる金儲けとをごっちゃにしないことだという。

 とにかく、真面目に働こう。



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スルメを見てイカがわかるか
2004年08月27日 (金) 22:45 | 編集
スルメを見てイカがわかるか! (角川oneテーマ21)スルメを見てイカがわかるか! (角川oneテーマ21)
(2003/12)
養老 孟司、茂木 健一郎 他

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 「スルメを見てイカがわかるか!」(養老孟司・茂木健一郎/角川oneテーマ21)読了。

対等な対談を期待していたのですが、ちょっと違い、主に茂木さんが質問し、養老先生が答えるという感じの展開でした。

 話の基本は「バカの壁」とそう変わらない。

 個性というのは、いやでも誰にでも備わっているもので、個性的を追求するより、いかに人と分かり合えるかの方が大切という話。
 このテーマを、言葉と脳という方向から突っつく。

 そして後半の、「脳を耕す」という話。これは面白かったです。
 脳にいろいろ良い刺激を与えてやって、後は無意識が勝手に感じるにまかせる。
 自分の脳の中で、自分ではコントロールできない部分がたくさんあるということを認め受け入れる。

 私たちの意識ができることは、自分の脳にこれが良いと思われる刺激を入力して、あとは脳がそれを編集、整理して何らかの意味に結実させるのを辛抱強く待つことだけなのである。(p.180)



 展覧会とか行って、上手く感想が言葉にならないことのほうが多くて、見ているときに楽しかったという以外何も残らなかった、お金の無駄遣いだったのかもなどと思ってしまうことがありますが、そうではないってことですな。

 脳の中にちゃんと何かが残っていて、時間と共に熟成されてゆき、それはきっとこの次ぎ撮る写真にも影響するのだろう。
 やはり、刺激を送り続けることは大切なのだ。


頂上対談
2004年08月06日 (金) 21:43 | 編集
頂上対談 (新潮文庫)頂上対談 (新潮文庫)
(2004/06)
ビートたけし

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 「頂上対談」(ビートたけし/新潮文庫)読了。

 たけしの対談集。
 雑誌とかでやったのを寄せ集めたんだろうな多分。
 メンバーが凄くて、とても興味深かったです。
 お相手は、長島茂雄、ダウンタウンの松本人志、中田英寿、柳美里、桜庭和志、今村昌平、淀川長治など。
 
 いろいろ面白い話をしていて、サクサク読んでしまった。
 例えば……、

中田 練習を面白くするということを、ほんと知らないですよね。おもしろくやることがどんなに効率がいいかってことを全然わかってない。言われたことを一生懸命やって、いい結果が出るとは限らない。(p.147)



たけし おいらの給料は、二人足して十六万だったね。それが三十万の時に漫才ブームの匂いがしてきた。仕事場で忙しいぞって文句言ったら、百万円くれたのね。それで相棒は金にはうるさいから、おれに「やめると言おうよ。百万円じゃ駄目だって言ってみよう」って。それで三百万。「もうちょっと言ってみよう」って、七百万、八百万、千六百万。三十万から千六百万まで半年かからなかった。(p.86)



淀川 あんたの映画はどれもこれもいいのよ。『キッズ・リターン』なんか何日でシナリオ書いたの?
北野 新聞の起承転結がある四コマ漫画みたいに絵があって。最初の絵は校庭を二人が変な乗り方してて。最後も同じ絵で、ただ今度は普通に乗ってて、「まだ終わってねえ」なんて言ってて。二つ目はボクサーに殴られたのがあって、三つ目は片っぽがヤクザで片っぽがボクサーになってるのがある。この四つの絵を通過すれば映画はできるかなあって。
淀川 そうかそうか。とってもいい考えだ。
北野 始まりはここで、どこに動こうと二番目はここに漕ぎ着ければ。起承転結だけ作っておいて、台詞は後で一週間くらいで。
淀川 今の言葉ね、いろんな監督に聞かせたいね。それはいいね、とてもいいことだ。(p.369)



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