こんな本を読みました。
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失われた宇宙の旅2001
2016年01月14日 (木) 23:30 | 編集
 「失われた宇宙の旅2001」(アーサー・C・クラーク/ハヤカワ文庫SF)読了。

 スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」の制作過程の裏話と没になった小説原稿をまとめた、非常に興味深い本でした。

 コンピューターHALは当初ロボットとして構想されていたとか、人類と遭遇するのはモノリスではなく、人型のエイリアンだったとか。

 ただ「こういう話もあった」だけではなく、映画のたたき台としてまた小説版の原稿として書かれ、最終的に没になった小説原稿が載っているのが衝撃的です。

 リドリー・スコットの「プロメテウス」に出てくる真っ白くのっぺりとした巨人エイリアンのイメージが、〈月を見るもの〉に道具の使い方を教えるエイリアンに妙にダブってしまいます。
 そもそも、大昔に人類に文明を授けた異星人が、宇宙に飛び出せるまでになった人類を呼び寄せるという骨格が、恐ろしく似ているように思いました。

 この映画製作時点では、技術的、予算的、デザイン的制約から実現できなかったことが、CGの進歩で出来るようになったということか。

 とにかく、映画では尻切れトンボになっていた結末の先が、どのように構想されていたのかが、しつこいくらいたっぷり描写されているので、映画で描かれたディスカバリー号の木星への遠征の意味がやっと腑に落ちました。

 われわれが最後に見つけた結末は、いまではこれしかないという気がしているが、ここへ行き着くまでには、何カ月もかけて不思議な世界や都市や生物を空想し、どうしたら観客の認識力に狙い通りのショックを与えられるかと、いろいろ頭をひねったものである。(p.317)





失われた宇宙の旅2001 (ハヤカワ文庫SF)失われた宇宙の旅2001 (ハヤカワ文庫SF)
(2000/04)
アーサー・C. クラーク、伊藤 典夫 他

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黒澤明の遺言
2012年05月04日 (金) 21:41 | 編集
黒澤明の遺言黒澤明の遺言
(2012/02/16)
都築 政昭

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 「黒澤明の遺言」(都築政昭/実業之日本社)読了。

 映画監督・黒澤明の発言を年代順にピックアップし、解説をつけたもの。

 見開き右側に黒澤明の言葉、左に解説で、非常にコンパクトです。

 じっくり読んでもよし、パラパラ拾い読みしてもよしという感じです。

 黒澤ファンにとっては特に目新しい記述はないですが、彼がどんなことを考えていたのかざっくりと知りたいという入門者にはちょうど良い本だと思います。

 

 無から創造できるはずがない、故に
 創造というのは記憶ですね。(p.26)


 

 映画は考えさせるようには出来ていない。
 感じさせるように出来ているのである。(p.66)



 黒澤監督は完ぺき主義者という印象が一般的で、たしかに、
 

 ものを創る人間で
 完全主義者でないやつがいるかよ。(p.116)


 という発言をしています、が、一方で、

 「登場人物が本当に生きた人間に描かれていたら、その人間たちが、それぞれの主張をするわけですね。予定したように話が進まないんです。川の流れのようにくねくね曲がるし。でも、そういう不思議な展開をしたところが、自然で、見ている方には大変面白い」(p.43)



 とも、語っていて、こういう完璧追求とある程度の偶然性を受け入れていくダイナミックさの融合が黒澤映画の魅力となっているのでしょう。

 脚本も、あらかじめプロットを決めるのではなく、最初から書き始めて、キャラクターをどんどん自由に動かしていくのだそうです。

 これを読むと、もう一度黒澤映画を観直したくなります。




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