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さよなら!僕らのソニー
2012年05月20日 (日) 21:38 | 編集
さよなら!僕らのソニー (文春新書)さよなら!僕らのソニー (文春新書)
(2011/11)
立石 泰則

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 「さよなら!僕らのソニー」(立石泰則/文春新書)読了。

 トリニトロン・カラーテレビとウォークマン以降、魅力的な商品を売り出すことができず、「技術のソニー」ブランドがなぜ凋落してしまったのか

 その謎を、ソニーの歴史を紐解きながら考えてゆく、という内容。

 まずは、ありきたりの大企業病。
 巨大企業となったソニーは、利益を出さなければならず、そうなると売れると分かっている商品を売る、つまり、「二番手商法」に走ることになる。
 これで、独創的な商品の開発が鈍っていく。

 さらに、大賀、出井、ストリンガーとづづく経営陣が、次第にエレクトロニクス(エレキ)事業から、コンテンツやネットワーク事業を含む広い意味でのエンタテインメント事業にシフトしていこうとし、悲惨な失敗を繰り返していきます。

 近年では、リストラや資産の売却などで、一時的に利益が出ているように見せかけますが、商品が売れているわけではないので、次の年には大赤字。
 それにもかかわらず、経営陣は億単位の報酬をいただいている。

 流失した人材はライバル会社にどんどん引き抜かれ、技術を盗まれてしまう。
 液晶を作る技術はあっても、綺麗な「絵づくり」のノウハウがなかった韓国系企業などは、どんどんソニーの画質に近づき、差がなくなっていく。

 著者は長年ソニーを取材している人で、直接インタビューも多数しています。
 それだけに説得力があり、こんな発言をほんとにしたのかとぶっ飛ぶようなエピソードもあります。

 出井氏はこういう発言をしています。

 「テレビ画面の明るさだとか解像力の美しさなど問題にならなくなる。大事なのは中身(コンテンツ)であって、誰がその中身を作り、誰がそれを配信するネットワークを支配するかである」(p.180)



 テレビで儲けてきた会社の経営者が、テレビの画質などどうでもよいという

 そして、出井氏は自分の後継者にハワード・ストリンガー氏を指名するのです。

 CBSテレビ出身でエレキのことを何も知らないストリンガー氏は、ソニーのエレクトロニクス軽視を加速させていきます。

 ストリンガー氏はソニー製品をネットワークに繋ぐことに熱心なのだが、繋いだ後、どのようなビジネスモデルを持っているのだろうか?
 私はストリンガー氏に直接、「ネットワークに繋ぐ理由は分かりましたが、ではどこで利益を稼ぎ出すつもりなのですか。それを教えてください」と尋ねた。
 ストリンガー氏は少し考えてから、こう答えた。
「それをいま、平井(一夫氏)に考えさせているところだ」
「・・・・・・」
 私は、絶句した。
 ビジネスモデルを持たないまま、すべてのソニー製品をネットワークに繋ごうとしていたのか。(p.245)



 歴史を後から振り返ると、「なんと馬鹿な」という事柄が多いのですが、ソニーもまたしかり。

 本書の出版後も赤字を出し続けてはいますが、ソニーは倒産したわけではなく、歴史は現在進行形で続いています。

 がんばれ!僕らのソニー、と言っておこう。




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