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ムンクを追え
2006年03月10日 (金) 17:23 | 編集
ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日
(2006/01/24)
エドワード・ドルニック

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ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日」(エドワード・ドルニック/光文社)読了。

 1994年、ノルウェー、オスロ。
 よりにもよって冬季オリンピック、リレハンメル大会開催初日に、ノルウェー国立美術館から、ムンクの代表作『叫び』が盗まれました。
 本作は、ロンドン警視庁の囮捜査官がこの『叫び』を取り戻すまでの物語を縦糸に、美術品盗難事件の歴史や、背景などに迫った、なかなか興味深いノンフィクションです。

 美術品の盗難というとあまりピンとこないかもしれませんが、本書によると、

 美術犯罪は、いまや、巨額の富をもたらす一大産業と化している。犯罪統計というのはあまり当てにならないものだが、国際刑事警察機構(インターポール)の推定によれば、盗難美術品の闇取引で動く金額は、年間四十億から六十億ドルにものぼるという。その規模は尋常ではなく、国際的な違法取引のなかでは、麻薬、武器についで第三位に位置している。(p.23)

 ということです。

 奪われた美術品のうち、無事回収されるのは一割程度というショッキングな数字も示されます。
 名画というのは値下がりすることがないので、あわてて売ったりしないそうです。
 ま、どこかに隠しているというのなら、まだ発見する可能性があるのでましなのですが、盗んだり、不法で入手した犯罪者が、その価値を理解できず、証拠隠滅のために捨てたり燃やしたりということもあるのだという。

 読んでいてビックリさせられるのは、盗難事件の発生件数の多さと、盗みのあまりの容易さです。
 単に警備が手薄などというハンパなもんじゃなく、そもそも警報装置がなかったとか、警備員がアルバイトだった、絵が簡単なワイヤーでぶら下っていたなどなど、誰でも知っている有名美術館でもとんでもなくお粗末なのです。
 1998年、ルーヴル美術館からコローの絵が盗まれた時の報告書には「三万二千点におよぶ展示物から一点を盗み出すのは、デパートで万引きするよりも、はるかに容易だ」と記されているそうです。
 保険金もほとんど掛けられておらず、警察も「たかが絵じゃなか」という感じで、あまり真剣に捜査しないという現実もあるのだとか。

 美術品盗難に関する記述の他、囮捜査の実態も興味深く読みました。
 特にベテラン囮捜査官で『叫び』を取戻した張本人チャーリー・ヒルというキャラクターが面白いのです。
 過去に、フェルメール、レンブラント、ゴヤ、ティツィアーノなどの名画を奪還している、まさに伝説の敏腕捜査官なのです。
 彼の人生哲学、潜入の手法など、まさに事実は小説より奇なりという感じ。

 美術好きな人とか、こういうちょっと変わった角度からの話も意外と面白いですよー。

 それはそうと、「ダヴィンチ・コード」の文庫を買うかどうか、悩んでます。
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