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こころの眼
2012年10月28日 (日) 21:16 | 編集
こころの眼―写真をめぐるエセーこころの眼―写真をめぐるエセー
(2007/07/20)
アンリ カルティエ=ブレッソン

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 「こころの眼 写真をめぐるエセー」(アンリ・カルティエ=ブレッソン/岩波書店)読了。

 「決定的瞬間」アンリ・カルティエ=ブレッソンのエッセイ集です。

 書き下ろしではなく、ブレッソンがあちこちに書いたものを纏めたもののようです。

 ブレッソンが写真についてどう考えていたのかを知る手掛かりとして、とても貴重な本でしょう。

 これまで一度として「写真そのもの」に情熱を傾けたことはない。私が愛するのは、自らをも忘れる一瞬のうちに、被写体がもたらす感動と形状の美しさを記録する写真の可能性だ。そこに現れたものが呼びおこす幾何学だ。(p.26)



 私たちの眼はかたときも休まず推測し、予測しなければならない。わずかな膝の屈伸でパースペクティヴを変え、一ミリにも満たない首の動きでいくつもの直線をめぐりあわせ、一致させる。むろんそれは反射神経のスピードで実現する。おかげで私たちは幸いにも「芸術する」ことに、こだわる間もない。構図はシャッターを押すとほぼ同時に構成される。ディテールをどう描くかは、被写体に向けたカメラの引き具合ひとつ。被写体を従わせることもあれば、逆にふりまわされることもある。(p.38-39)



 カメラ・アングルという言葉をしばしば耳にするが、アングル、すなわち角度とは、構図のための幾何学的アングルが唯一存在するのみである。有効なのはそれだけであって、腹這いになったり、きっかいな行動で何らかの効果を得ようとすることがアングルではない。(p.40)



 前半は主に写真についてで、後半が中国、モスクワ、キューバ等の取材話や交友関係の話という構成です。
 
 いろいろと知らなかった話も出てきて、興味深いです。
 彼はジャン・ルノワールの助監督を務めたことがあるのだという。

 彼は私を『ピクニック』の第二助監督に採用してくれた。第一助監督はジャック・ベッケル、研修助監督はルキノ・ヴィスコンティだ。(p.99)




 最後に、カメラ関係の掲示板等でも異常にこだわる人が多い永遠のテーマ、「ピント」について、ブレッソンがどう考えていたのか、面白いので引用します。

 写真技術というと、執拗にピントのことを考える人々がいるのをつねづねおもしろく思っている。生来の凝り性なのか、あるいはトロンプ・ルイユ(実物そっくりのだまし絵)に近づくことで現実を掌握できると考えているのか。そんな人々もまた、画面をぼかすことで芸術性を論じていたべつの世代の人々と同じほど問題の核心から遠いところにいる。(p.44)







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