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内臓感覚
2007年11月16日 (金) 22:32 | 編集
内臓感覚―脳と腸の不思議な関係 (NHKブックス 1093)内臓感覚―脳と腸の不思議な関係 (NHKブックス 1093)
(2007/09)
福土 審

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 「内臓感覚」(福土審/NHKブックス)読了。

 「過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome :IBS)」という病名を聞いたことがあるでしょうか?
 腹痛や便通異常が慢性的に持続するのですが、検査をしても器質的疾患が認められず、ストレスを受けると発症したり悪化したりするという病気です。
 「死ぬような病気じゃなかろう」、「検査で異常ないんだから、気のせい気のせい」などと甘く見てはいけません。
 怖くて電車に乗れなくなったりだとか、エスカレートすると失職や不登校にまで発展してしまう恐ろしい病気なのです。
 現代では(症状の軽重はありますが)ざっと五人に一人が罹っているというポピュラーな病なのです。
 自分でも心当たりがあるとか、そういえば知り合いにそういう人がいるとかありませんか。

 著者の福土さんはこのIBSのを長年研究してきた専門家で、国際的な診断基準を作成した機能性消化管障害国際ローマ3委員会委員という、とにかくそれなりに偉い人らしい。
 本書は、多少専門用語が出てきて、とっつきにくい所もありますが、最新の研究成果が盛り込まれた、比較的分かりやすい解説書になっております。

 ワシの印象では、今までIBSが語られる場合、ストレスなどの脳の問題が重点的に取り上げられることが多かったように思うのです。
 心理的要因が唯一つのIBSの原因だという前提で、いかにストレスと付き合うかなどという、あまり客観的でもなく科学的でもない、自己啓発の作文みたいなのを読まされることが多く、釈然としなさ感のみが残ってしまうのでした。

 本書の素晴らしいのは、脳と腸を同時に平等に扱っている点です。
 そして大事なキーワードの一つが「脳腸相関」です。

 動物の進化は腸からはじまった。腸の周りを神経細胞が取り巻いた。神経細胞があることで、腸の働きが効率良く調節できるようになった。やがて、脊髄ができ、その先端部がふくらんで、脳ができる。(p.9)


 脳と腸は繋がっており、お互いの情報をやり取りしているのです。
 しかも、腸やその他の部位から脳に入ってくる情報は、脳の情動形成にも深く関わっているのだという。
 つまりIBSが脳腸相関の病気であるということは、腸の症状であるのと同時に、体表的なストレス関連疾患でもある、という二つの側面を同時に持つということです。
 IBSはストレスなどの脳の中の問題が腸の症状になる場合と、もともと腸の感度が高い人が症状を発症し、それが脳に伝わって気分が落ち込む場合の二通りのパターンがあるということが、数々の研究で明らかになってきたのです。

 本書はIBSという病気の入門書ではあるのですが、同時に今まで知らなかった脳と腸の関係性が明らかになっていく過程をスリリングに読ませる、人体の新しい見方を発見する本にもなっており、非常に面白かったです。


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コメント
この記事へのコメント
年齢を重ねるごとにひどくなっていくようで。
20台の頃は「大腸カタル」という病名をもらいました。50台で「IBS]という名前になりました。
急に下痢になるので、旅行にいくと、何も食べません。下痢は待った無しですから、不意に下痢になるのがこわくて、食べれません。普段は至って元気なので海外旅行にもいきますが、お湯を入れるだけでできる「おのぎり」「お粥」白飯」持参です。
ストレスがかかると脳が腸に指令をだして、私の場合は下痢になるといわれました。色々な本を読んで調べても、腸が器質的に悪いわけではないのだから、精神安定剤なども有効といわれ
いま、かかりつけの病院で処方していただいています。「イリボー錠」もためしています。(女性ですが)でも、強いストレスがかかると
どんなに下痢止めを飲んだり静注しても何日も下痢がとまらなく、なにも食べれなくて、だるくて、ますます気が滅入ってしまう悪循環に落ち入ります。携帯トイレを必ず持ち歩いています。脳を空にするため、3課間、劇場へ通ってみたり、エネルギーをつかわない方法でストレス発散を試みたりもしています。でも、世の中、私よりはるかに多くのストレスをかかえている人が多いのに、どうして私はこんなに弱いのかと不思議です。
「今も2ヶ月近く野菜ゼロ、ごはんと鮎だけの
食事です。」今回は特に長引いています。
「内蔵感覚」という本が出ていることを知り、
早速、読んでみたいと思います。
おなかの調子がいいと、本当に快適な日々がおくれますから、胃腸の丈夫な方は、毎日、こんなに快適にすごして いられるのかと羨ましい限りです。
2011/09/16(金) 21:20 | URL | 目加田 幸子 #fHiZZVGc[編集]
はじめまして。
目加田様、コメントありがとうございます。
私も「IBS」と診断されたわけではないのですが、お腹が弱い方なので、この本を興味深く読みました。
この本との出会いで、目加田様の症状が少しでも緩和されることを願っております。
2011/09/17(土) 21:00 | URL | tera104 #-[編集]
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