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ゴッホは殺されたのか
2008年05月28日 (水) 21:23 | 編集
ゴッホは殺されたのか 伝説の情報操作 (朝日新書 94) (朝日新書 94)ゴッホは殺されたのか 伝説の情報操作 (朝日新書 94) (朝日新書 94)
(2008/02/13)
小林 利延

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 「ゴッホは殺されたのか 伝説の情報操作」(小林利延/朝日新書)読了。

 衝撃的な題名です。
 題名の通り、ゴッホの他殺説について書かれた本です。

 本書は小説ではありません。
 著者は、誰でも読むことのできる「ゴッホの手紙」や、死後に発表された関係者の証言などから、推理を組み立てていきます。
 読み終わると、「こりゃ本当に他殺説を唱える他ないわな」 という気分に陥ります。
 「ダヴィンチ・コード」のような後味がありますが、繰り返して強調したいのは本書は小説ではないということです。

 ゴッホの人生を振り返りながら、最後に犯人を導き出すという構成ですが、冒頭に、ゴッホの自殺説がいかに胡散臭いかが解説されます。
 このプロローグがみごとで、ここを読んでしまうと、先を読まずにはいられなくなります。

 恥を忍んで告白しますと、ゴッホが自殺したという知識はありましたが、それがどういう状況であったかということを全く知りませんでした。
 耳を切った後の頭を包帯でまいた自画像のイメージが強烈であった為か、無意識のうちに、同じように室内で頭を撃って自殺したのであろう(耳を切ったのは室内)と、勝手に思い込んでおったのです。
 大部分の人はこの程度のイメージしか抱いていないのではないでしょうか。

 居合わせた人々の証言によると、滞在中の旅館からスケッチに出かけたゴッホが、夜になっても帰らず、心配していたところに、お腹を押さえながら戻ってきて、そのまま自分の部屋で寝込んでしまった。
 旅館の主が様子を見に行くと、傷口を見せたので、ガッシェ医師を呼んだ。
 ゴッホはすぐには死なず、知らせを受けて駆け付けた弟テオに看取られて死んだ。
 ということなのです。

 傷口についての記録を調べると、左脇腹から下を撃ったということで、自分で撃ち込むには非常に難しいというかほぼ不可能な箇所なのです。
 しかも、どこで撃ったのか、目撃者がいないのはもちろん、場所もはっきり特定されておりません。
 さらに、凶器のピストルが発見されておらず、入手経路も不明なのです。
 数日前に買ったという説がありますが、確実に証明されておらず、だいたいテオの仕送りに頼って、貧乏暮しをしていたゴッホにピストルを買うような金銭的余裕はありませんでした。
 ゴッホが自ら「自分で撃った」と語ったという証言がありますが、誰かをかばっていたとしたらどうなるのでしょう

 いやー、ざっと挙げただけでも、ゴッホの自殺説がいかにいい加減かおわかりになるでしょう。
 この実に曖昧な自殺説に、なぜ誰も疑問を投げかけず、事実として流布されてしまったのか
 これが本書の副題になっている「伝説の情報操作」であるわけです。
 本書には「他殺の証明」と、「他殺の隠ぺいの真相」という二つのテーマがあるわけです。

 で、犯人は誰なのか?
 それは本書の大切なクライマックスなので、書くわけにはいきません。
 興味の湧いた人は読んでください。



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