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ジャーナリズム崩壊
2008年09月02日 (火) 21:53 | 編集
ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書 う 2-1)ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書 う 2-1)
(2008/07)
上杉 隆

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 「ジャーナリズム崩壊」(上杉隆/幻冬舎新書)読了。

 著者は、NHK報道局勤務、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者を経て、現在フリージャーナリストとして活動中です。
 「官邸崩壊」というベストセラーをかっとばしたのが記憶に新しいところでしょう。

 本書のテーマは日本のジャーナリズムの水準の低さ、そして特に「記者クラブ」制度の弊害です。
 これがいかに問題だらけ、疑問だらけの制度であるかを、教えてくれます。

 ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者の経験から、外国のジャーナリズムの常識との比較の過程で、日本のシステムとの差異がくっきりと浮き彫りになります。

 「日本に『ジャーナリズム』はある。ただしそれは日本独自のものであり、海外から見ればジャーナリズムとはいえない」(p.18)



 著者の実体験が次々と出てきて、記者クラブ制度の問題点がどこなのか、とうことがよくわかります。

 例えば、記者クラブに入っていないと、政治家などに自由にインタビューもできないのだという。
 政治家は「記者クラブに許可を取れ」といい、記者クラブは許可を出さないため、フリーランスや外国人記者は結局自由に情報源にアクセスできない。
 政治を監視するどころか、政治家をスキャンダルから守るような、本来のジャーナリズムとは真逆の役割を嬉々として演じ、小出しに出される情報をもとに、みんなが同じ記事を書くという、なれ合いの談合体質。
 しかも、ごていねいに、お互いのメモを見せあい確認しあうという「メモ合わせ」なんてことまでやっているのだそうっす。
 このように、情報を独占し、かつ、クラブの人間以外が情報にアクセスすることを妨害する。
 国民の知る権利のために闘うぞ、などという気概は微塵もない。

 また、記者クラブ以外の日本の新聞のおかしな慣習は、引用した記事の出所をちゃんと書かないところだという。
 「一部週刊誌によると」などと書き、あるいはそれもまったく書かずにまるで自分が取材したかのように書き(「なになにだと分かった」とか)、しかもその記者自身は記事に署名しない。
 
 署名がないため責任があいまいな上、記事に間違いがあっても、新聞社はなかなか認めず、記者を罰するどころか、会社をあげて守ろうとする。

 その他、問題点がごろごろ出てきます。
 もう、途中で嫌になってしまい、もう新聞はとらなくてもいいんじゃないかとすら思えてきます。

 自費出版が問題になっても歯切れの悪いことしか書かないのはなぜかなー?と思っていたら、新聞社の子会社が自費出版の広告を出していてあきれたことがあります。
 記者はサラリーマンで定年まで無事勤め上げたいと思い、新聞社は、公平・中立・ジャーナリズム宣言()などと口先ばかりで、自分たちの金もうけの邪魔になることは書かないのでしょう。
 ま、商売だからと言えばそれまでですが。

 ワシなんか馬鹿だから、インターネットの個人のブログなどをあちこち拾い読みする過程で、それまで知らなかった事実やモノの見方に出会い驚くばかりで、新聞やTVなどが偏った報道を繰り返しているということに、最近ようやく気付き始めてました。
 そこにきて、本書を読み、あぁなるほどという感じです。

 本書の提示している問題点が、繰り返し論じられ、日本のジャーナリズムが国際標準に追いつくことを期待します。
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