こんな本を読みました。
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Mr.クイン
2006年04月20日 (木) 21:53 | 編集
Mr.クイン Mr.クイン
シェイマス スミス (2000/08)
The Mysterious Press

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 「Mr.クイン」(シェイマス・スミス/ハヤカワ・ミステリアス・プレス文庫)読了。

 ずいぶん昔に買ってあったのを発見して読んでみました。

 犯罪者が主人公という小説は数々読んできましたが、胸くその悪さでは、間違いなくランキング一位だな。
 普通は多少なりとも感情移入なりするものなのだが、今回はまったくなし。

 舞台はアイルランド、ダブリン。
 主人公、ジェラード・クインはプロの犯罪プランナー。
 この「犯罪プランナー」ってのはなにかというと、犯罪の計画だけ立てて、実行は人任せ、自分は表に出ないっつー職業なのです。
 話は、裕福な不動産会社の社長一家を事故に見せかけてみんな殺してしまい、全財産を乗っ取るという完全犯罪をいかに成し遂げるかという内容で、まぁよく出来ている。
 次々訪れる危機をずる賢くすり抜けていく手並みには関心させられますが、やり口があまりに凄惨かつ断固としていて、まったく楽しくない。
 が、話がどうなっていくのか知りたくて、読まずにはいられない・・・、という人間の心理ってのはなんなんだろう?

 主人公クインの造形が秀逸です。
 自分の子供を大切にし、ちゃんと人の気持ちも分かるのに、ひどいことを平気でやれてしまう。
 っつーか、楽しんでいるのか?
 話の進行がクインの一人称で、実に飄々とした語り口で進み、恐ろしい犯罪の進行と、軽い口調のギャップが不気味です。
 とにかく、超自己中。
 自分さえよければそれでいい。
 悪いことをしていると分かっていながら、悪いことをする。
 「悪いことをするのって、悪いことなの?」というような、下品なモラルのなさ。
 完全犯罪を犯してないにしろ、精神的な意味で、こういう異常者ってのが本当にいるかもしれないという怖さが現代社会にはあります。
 心理学とか社会学とかの難しい本を読むより、こういう小説を読んだ方が、現在の人間についてリアルで直感的な理解が出来るのではないでしょうか。
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