こんな本を読みました。
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考えよ! なぜ日本人はリスクを冒さないのか?
2010年06月16日 (水) 21:37 | 編集
考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか? (角川oneテーマ21 A 114)考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか? (角川oneテーマ21 A 114)
(2010/04/10)
イビチャ・オシム

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 「考えよ! なぜ日本人はリスクを冒さないのか?」(イビチャ・オシム/角川oneテーマ21)読了。

 前サッカー日本代表監督で、脳梗塞で倒れたため岡田氏に監督の座を譲った、イビチャ・オシム氏の著書です。

 今年2010年4月の初版発行で、ワールドカップ南アフリカ大会を前に緊急出版という感じでしょうか。
 現在の日本代表チームの課題や、相手チームの分析など実に的確で参考になります。

 外国人から見た日本人論として読んでも、実に立派な展開であります。

 日本では、長年にわたって失敗に対し罰を与えるような教育システムになっているように思える。そういう社会性が、ある意味、サッカーでは悪い方向に作用する。
 「失敗して罰を受けるならば何もトライしたくない」という深層心理が消極的な姿勢につながるのである。「日本人には責任感がない」とは決して言えない。日本人のメンタリティの問題は「責任感がない」のではなく、その責任感に自分で限界を作ってしまうことではないか。自分で勝手に仕事の範疇を決めてしまい、それを達成すると、「後は自分の責任ではない」と考える。(p.93-94)



 選手についてのコメントも、監督をやった人間ならではのものです。
 例えば中村俊輔についてはこのように書きます(この文章の前後では絶賛と言えるほど褒めているのですが…)。

 中村俊輔は、決闘を好み勝負するプレーヤーではない。私が代表監督のときは、危険な存在になるように、いつも「前へいけ!」と言い続けていた。しかし、彼は、不思議なことにさらに下がった。(p.130)


 なぜ「走らないと駄目」なのかだとか、「日本のサッカーを日本化する」などという謎めいた言葉の意味だとかが、詳しく解説されているので、いままで「オシムは何を言いたいのか分からん」と感じていた人にはよいテキストになるでしょう。

 言い回しが複雑というか、ひねくれているというか、ユーモアなのか、とにかく言葉尻を捉えて、矛盾していることを発言しているように受け取られることも多い人ですが、このようにまとまった文章をちゃんと読めば、いかに筋の通った思考の持ち主であるかがわかろうというものです。

 A と B を考えつつ C をするというような、いくつもの事柄を並行して処理する能力を求めるというのが、オシム氏の持ち味のように感じます。
 そしてそれは実際、サッカーに限らず人生の様々な局面で求められる能力でもあるでしょう。

 本書を一読しておけば、ワールドカップの楽しさが数倍増すのではないでしょうか。


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